志賀高原ユネスコエコパーク
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ユネスコエコパークとは、ユネスコが計画する人間社会と自然との共生、自然資源の持続可能な利用と保全を促進するための科学的探究、教育、研修を行う 事業計画(MAB計画)の達成に最適なエリアとして認められた国際的な登録保護地区のことです。
志賀高原は1980年(昭和55年)に登録され、地域住民の努力により今も原生的な自然環境や貴重な動植物の生態系が保全され、人間社会と自然の調和のとれた持続可能な 地域づくりを目指した取り組みが行われています。
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ユネスコエコパークの役割・機能
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人間の生活とその影響も含めて、生物多様性を守るための重要な地域であること
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持続可能な環境・資源の利用と地域社会の経済発展
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学術調査研究、教育・研修、人材育成の場であること
「人間社会と自然の共生」を実現するための3つのゾーン
ユネスコエコパークは「自然と人間社会の共生」を実現するために、3つの土地利用区分を採用することが特徴です。
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高く評価される自然生態系を持つ地域。法的にも厳しく保護され、長期的に保全されている地域
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核心地域の自然を保護するように位置し、学術研究やESD教育などの場として活用されている地域
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人間の生活圏を対象とし、自然環境の保全と調和した持続可能な地域社会の発展を目指す地域
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ESD(持続可能な開発のための教育)
ESD(Education for Sustainable Development)とは持続可能な開発の担い手を育む教育です。
環境のほか、貧困・人権・平和・開発といった現代社会の様々な課題を、身近な暮らしと結びつけ、解決するために新しい価値観や行動を生み出し、それによって持続可能な社会を目指す学習や活動を行っていく担い手を育むことを目標としています。
このESDはSDGsの目標「4:質の高い教育をみんなに」であると同時に、SDGsの16の目標の実現の鍵です。
志賀高原のESD活動内容
環境学習プログラム
志賀高原ユネスコエコパークでは、古くから自然の恵みを守り活用する活動が行われてきました。
現在も地域住民の努力により守られている自然環境をテーマに、志賀高原観光協会・長野県志賀高原自然保護センター運営協議会・志賀高原ガイド組合が、ESD教育達成を目的にした「志賀高原環境学習プログラム」を主に学生向けに平成25年より実践提供しています。
講義・野外学習・レポート作成を通して自然環境への理解を深め、
持続可能な自然環境の保全と活用について学生の皆さんに学習をしていただいております。
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ユネスコスクール
ユネスコスクールは、ユネスコ憲章に示されたユネスコの理念を実現するため、平和や国際的な連携を実践する学校です。
【ユネスコスクールの加盟校は世界182か国で1万1000校以上、日本国内で1116校(2019年6月現在)】
志賀高原ユネスコエコパークの全ての小中学校がユネスコスクールに加盟し、ESDの視点を持った学びに取り組んでいます。
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森づくり
山ノ内町立東小学校では、閉鎖したスキー場の森林再生のため、植樹用の苗を育てる育苗プロジェクトに取り組んでいます。
1~2年生が志賀高原産のドングリから苗を育て、3~4年生が芽を出し始めた苗を育苗畑に移植したら、5~6年生がその苗をスキー場跡地に植樹します。この段階的な活動を通して自然と共存した体験的な地域学習を実践しています。
山ノ内町立東小学校では、閉鎖したスキー場の森林再生のため、植樹用の苗を育てる育苗プロジェクトに取り組んでいます。
1~2年生が志賀高原産のドングリから苗を育て、3~4年生が芽を出し始めた苗を育苗畑に移植したら、5~6年生がその苗をスキー場跡地に植樹します。この段階的な活動を通して自然と共存した体験的な地域学習を実践しています。
ユネスコエコパークセミナー
地域の方と共に、エコパークを活かした持続可能な地域の発展を考える「ユネスコエコセミナー」を開催しています。
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志賀高原における自然保護のためのさまざまな取り組み
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志賀高原の雑魚川は、自然豊かな岩菅山系の清流を水源とし天然岩魚(ホンシュウイワナ)の原種が自然胞卵、繁殖している全国的にも珍しい川です。
この原種のイワナの生息環境を保護するために、地元住民による水源の管理と、排水による汚染を防ぐための排水処理の管理を厳重に行っています。
また、渓流釣りの場合は、禁漁区域やイワナの体長制限などのルールを定めています。
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志賀高原には18の登山・遊歩道が点在しています。
志賀高原の貴重な自然環境を快適に利用いただくため、歩道外の自然環境への踏み入れを防止するために登山・遊歩道の維持管理を行っています。
また、地元住民やガイド組合等が行うごみ拾いなどによる自然保護の啓蒙啓発活動を通し、利用者の皆様に持続可能な自然環境の保全と利活用への理解を深めていただいております。
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志賀高原では、閉鎖したスキー場の森林再生のため、ABMORI(エビモリ)という植樹プロジェクトを行っています。
志賀高原周辺のユネスコスクールや、地域住民の協力の元行っています。
植樹用の苗の育成はユネスコスクールである山ノ内町立東小学校の児童達が志賀高原で採取したドングリを使用して育てています。
また森林再生には長い年月が必要で、10年のスパンでユネスコスクールの中野西高等学校の生徒さんが育成状況を記録するモニタリングを行っています。
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志賀高原に自生する貴重な在来の高山植物を保護するため、地元住民やガイド組合により定期的に外来植物の駆除作業を行っています。
近年では地元の小学生が活動に参加し自然の大切さを学ぶ機会となっています。
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志賀高原の石の湯のゲンジボタルは、生息するホタルの標高・発生期間が日本一などの特徴から、天然記念物に指定されています。
志賀高原ではホタルの生息環境を保全する活動が毎年行われ、ホタル観賞に関して官民共同で鑑賞ルールを策定。
ホタルの健全な生息環境維持のために鑑賞いただく方にもご協力をいただいています。
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志賀高原ユネスコエコパークの構成する町村(山ノ内町・高山村・中之条町・草津町・嬬恋村)の子供たちに、貴重な地域の自然環境と、
その環境を守りつないでいくための取り組みについて学ぶイベントを定期的に実施。
未来を担う子供たちに、自然環境をどのように次世代につないでいくかを一緒に考える機会となっています。
SDGs(持続可能な開発目標)
持続可能な開発目標(SDGs)とは、すべての人々にとってよりよい、 より持続可能な未来を築くための青写真です。貧困や不平等、気候変動、環境劣化、繁栄、平和と公正など、 私たちが直面するグローバルな諸課題の解決を目指します。SDGsの目標は相互に関連しています。 誰一人置き去りにしないために、2030年までに各目標・ターゲットを達成することが重要です。 (引用元:国際連合広報センター)
志賀高原観光協会は持続可能な開発目標(SDGs)を支援しています。
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